英名:Kanna / 学術名:Sceletium tortuosum
南アフリカの大地で何世紀にもわたり受け継がれてきた神秘の植物、カンナ。この特別な多肉植物は、狩猟前のハンターたちの感覚を研ぎ澄まし、部族の重要な儀式で心を高める神聖なハーブとして重宝されてきました。
幻覚作用や依存性を持たない安全な植物でありながら、私たちの心と体に穏やかな活力をもたらすその特徴は、現代科学からも注目を集めています。伝統的なお茶やガムとしての利用から、疼痛管理、食欲コントロール、脳機能向上まで、カンナの可能性は現代社会においても広がりを見せています。
カンナの成分と作用機序
カンナの効果は、メセンブリン、メセンブレノン、メセンブレノール、メセンブラノールといった特徴的なアルカロイドによってもたらされます。中でも主要な成分であるメセンブリンは、セロトニン再取り込み阻害作用(SRI)を持ち、メセンブレノンはそれに加えてPDE4阻害作用も併せ持つことが研究で明らかになっています。
これらの作用により、抗不安効果や気分の改善、さらには注意力や集中力の向上が期待できます。カンナ全体に含まれるアルカロイド量は0.05〜2.3%とされており、現代の科学技術により、安定した品質での抽出が可能になっています。
カンナに期待できる働き
① メンタルの健康をサポート
カンナは心身を深くリラックスさせ、執着的な考えを鎮め、心、体、感情を総合的にバランスを整えるのに役立ちます。
② ストレスや不安感の軽減
脳の活動や自律神経系を落ち着かせる働きにより、思考やコミュニケーションにより多くの安らぎと広がりをもたらすと報告されています。
③ 気分の向上
セロトニンのレベルを向上させる働きにより、不安感や落ち込んだ気分を改善されることが研究で示唆されています。
④ 睡眠の質の改善
リラックス効果とストレス緩和作用により、不眠に悩む方の睡眠の改善が期待できます。軽度の痛みや不安による睡眠への影響も和らげる可能性があると報告されています。
⑤ 食欲の自然なコントロール
南アフリカの先住民族コイサン族は、狩猟時の長時間の飢えと渇きを抑え、集中力を保つためにカンナを利用してきました。
カンナの安全性に関する研究
カンナの安全性は、科学的な臨床試験でも確認されています。南アフリカで実施された3ヶ月間の無作為化二重盲検試験では、37名の健康な成人を対象に、カンナ標準化エキス「Zembrin」(1日8mgまたは25mg)の効果が検証されました。
試験の結果、血圧、脈拍、呼吸率などの重要な健康指標に問題となる変化は見られませんでした。ただし、まれに胃腸の不快感や頭痛が報告されています。
医薬品との併用における注意点
カンナはセロトニン再取り込み阻害作用を持つため、同様の作用を持つ以下の医薬品との併用は避ける必要があります:
- SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
- SNRI(セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬)
- MAO阻害薬
これらとの併用でセロトニンが過剰になると、不安、混乱、いらいら、発汗、発熱などの症状が現れる可能性があります。このような症状が出た場合は、摂取量の調整や中止を検討してください。
はじめてカンナを試す方へ
初めてカンナを摂取する際は、体が新しい植物の成分に順応する「プライミング」と呼ばれる過程があります。この間、敏感体質の方などは、一時的に軽い頭痛や胃部不快感を感じる場合がありますが、数回の摂取後に完全に消えていきます。
より快適にカンナを取り入れるためのポイント:
- 少量から開始する
- 十分な水分を摂取する
- 体調の変化に注意を払う
- 必要に応じて摂取量を調整する
カンナ製品の選び方
カンナ製品は、パウダー、カプセル、ガム、ティンクチャー、お茶など様々な形態で提供されています。1回分の標準的な摂取量は15~50mgとされていますが、最も重要なのは含有されるアルカロイドの量と品質です。
当店取扱いのカンナ製品(KA!)の品質指標:
- 主要総アルカロイド:7.4%以上
- メセンブリン総含有量:4.9%以上
< アルカロイドの構成比 >
- メセンブリン:77.8%
- メセンブレノン:15.9%
- デルタ7メセンブレノン:6.1%
おわりに
カンナは、伝統的な知恵と現代科学の研究によって、その価値が再確認された貴重な植物です。軽い気分の落ち込みや、心のバランスを整えたい時の自然な選択肢として注目されています。
ただし、医薬品との併用には十分な注意が必要です。また、継続的な使用の際は、体調の変化に注意を払いながら進めることをお勧めします。心と体のバランスを整えるサポートとして、カンナの穏やかな力を活用してみてはいかがでしょうか。