豊かな生態系が育む植物


カンナ (学術名 : Sceletium tortuosum)
は、小さな黄色の花を咲かせる多肉植物です。南アフリカ共和国とナミビア共和国に広がるカルー砂漠に自生しており、現在でも野生の姿を見ることができます。

カルー砂漠には6,000種以上の多肉植物、200種の鳥類、90種の爬虫類、75種の哺乳類、70種のサソリが生息し、雨季には花々が咲き誇る“生物多様性に富んだ砂漠”として知られています。そんな豊かな自然環境の中で、カンナは力強くその花を咲かせ続けています。 
 

 

Human Discovery

 

人類の起源とカンナの発見

南アフリカの大地が育んだ「幸福な植物」、カンナ。その物語は、人類の遥かな起源にまで遡ります。

現代人類(ホモ・サピエンス)の最古の祖先とも言われるコイ・サン族は、数千年もの時を越えて、この神秘的な植物を暮らしに取り入れてきました。

その起源は歴史の霧に包まれています。しかし、実際の使用は遥か3000年以上前の先史時代まで及んでいたと考えられています。

Journey to Kanna

 

⌘ カンナの起源を巡る旅 ⌘


KA!Empathogenicsの創設者は、数千年にわたりカンナと共生してきたブッシュマンであるサン族から直接学び、この神聖な植物が育つ土地とつながるため、南アフリカを訪れました。

さぁ、その旅路を一緒に体験してみましょう。

【 動画を見る 】

 

Acient Wisdom

 

伝統的なカンナ植物の活用

南アフリカの先住民であるコイ・サン族は、野生のカンナを発酵させて噛み、生活の中で役立てていました。長期間の狩りでは持久力を高め、空腹や渇きを抑え、意識を研ぎ澄ますための“相棒”として重宝されました。

さらに痛みを和らげる効果を期待し、赤ん坊を寝かしつける“万能薬”としても頼りにしていたのです。

Plant of Spirits

 

精霊との対話

コイ・サン族には、ヒーラーが長時間の踊りで深い変性意識に入り、祖先の精霊から癒しの力を得るとされる「n/um(ヌム)-治癒の踊り」と呼ばれる儀式があります。

トラウマの解放や霊的洞察、コミュニティの結束を目的とするこの儀式にも、カンナが用いられることがあると伝えられています。踊りのリズムとカンナの働きが融合することで、より深い癒しと霊的体験を呼び起こしてきました。

 

Innovation of Kanna


科学が解き明かしたカンナの効能
 

近代に入り、カンナに含まれるメセンブリンなどのアルカロイドを発見し、世界的な注目が集まりました。

科学的研究が進むにつれ、これらの天然成分が脳内のセロトニンシステムに働き、ストレスの軽減や心身の安定感をもたらす可能性が明らかにされてきました。

また、従来の伝統的な摂取方法から一歩進んだ高度な抽出技術により、品質が安定した高品質な製品が作られるようになりました。

 

Modern Mental Health Care

 

自然のちからを活用した
心と体への新しいアプローチ

カンナは、伝統的な民族植物の枠を超え、現代のメンタルヘルスにおいて新たな可能性をもたらす存在として注目を集めています。

日常的なストレスや不安が増す今、カンナの自然由来のアプローチによって心と体のバランスを整える方法は、科学的研究の進展によってさらに評価が高まっています。

ウェルネス分野での解決策として、カンナの可能性は広がり続けています。


 

When Kanna Met Japan


江戸時代の日本人を魅了したカンナ

実は、私たち日本人とカンナには知られざる歴史の接点がありました。

17世紀に南アフリカに到達したオランダの冒険家たちは、先住民がカンナを嗜んでいることに興味を示し、国に持ち帰り研究をはじめました。オランダ貿易商の記録によると、カンナの根は活力増進の植物薬として日本と取引され、人気を博していたと記されています。